空を纏う
フィドラーを擁するイタリアのフォークメタラーELVENKINGの「THE WINTER WAKE」を買った。
前作のVoが脱退し、何か別にバンドをやってた筈のオリジナルVoが復帰。
正直、この出戻りより前作のVoの方が好きだった事や、試聴したサンプル音源が猛烈ウンコだった事もあって、まるで期待していなかったのだが、その不安を覆す出来で大層安心した。
ドラッドなフィドルが活躍し、サビで雄々しく盛り上がるスタイルは不変だけど、前作にあった安っちいメロパワ風味や極端な田舎臭さが若干後退、代わりに演奏がしっかりしてギクシャクさが無くなったので、メジャー感が出て来た気がする。
とは言え、やっぱり力みまくりで不安定な出戻りVoがB級ぶりを高らかにアピールしてしまうのであった。聴けるレベルではあるけどね。
実はこのアルバム、SKYCLADの6thアルバム(ミニは除く)「IRRATIONAL ANTHEMS」収録の「Penny Dreadful」のカヴァーが入っている。
それを事前に知っていたせいもあるのだが、アルバムの全体的なノリとかヴァイオリンの使い方が実にSKYCLAD的で、カヴァーとか知らない人が聴いたらオリジナルと思ってしまうんじゃないかってくらいなのだ。
しかし、この選曲にはちょっとニヤついてしまった。
というのは、SKYCLADはこの手のトラッドメタルを15年以上やっている嚆矢な訳だけど、この「IRRATIONAL ANTHEMS」というアルバムがこれ以降のSKYCLADの音楽性を確定的にした作品だからだ。
SKYCLADの頭脳であったマーティン・ウォルキーアは極悪スラッシャーであったSABBATを脱退し、イギリスの伝統的なサウンドに根ざしたメタルバンドを作りたいという意図の下に、SKYCLADを作った訳だけど、当初はトラッド云々ってよりも、普通のメタルにヴァイオリンを載せただけって作風だった。しかも、マーティンはSABBAT時代の吐き捨てVoそのままなもんだから、かなり評判が悪かったのが事実だ。
ただ、3rd「JONAH'S ARK」でトラッド寄りの作風を導入、その後に出したミニ「TRACK FROM THE WILDERNESS」ではTHIN LIZZYの「Emerald」をカヴァーをするなどしてトラッド嗜好をアピールした。
ただ、その後の「PRINCE OF THE POVERTY LINE」と「THE SILENT WHALES OF LUNAR SEA」で、何故かパンクっぽいアグレッシヴさを強め、その所為か日本盤もここで打ち止めとなってしまった。
そして、その後に出たのが「IRRATIONAL ANTHEMS」だった。
このアルバムではそれまでのダークでアグレッシヴな作風から一転して軽快なテンポにトラッドなフィドルをフィーチュアした作風となった。POGUESとかアイリッシュパンクをメタルっぽい音にした感じ。サビもキャッチーで解りやすく、最後まで軽快に突っ走っていく感じがとても心地よいアルバムだった。マーティンの歌もかなりメロディを追うようになっていた。
この作風が当たったのか、以降の作品はずっとこの路線である。てか、全部同じに聴こえるんだけどねww
数年前に、マーティンはSABBAT再結成の為にSKYCLADを脱退。新しいVoが入ったけど、サウンド的には何も変わってなかった。歌の微妙さまでww
SKYCLADは多作なバンドでかなりのアルバムを出しているけど、最近はあんまり音源のニュースを聞かないところを見ると、マーティン脱退が響いているのだろうか。どっちも変わんないと思うんだけどな。もしかしたら、グレアム・イングリッシュとスティーム・ラムゼイによる再結成SATANのせいかもしらんな。つか、再結成SATAN、気になってんだけど、どうなってるんだろうか。。。
長々とSKYCLADの事を書いてしまったけど、ELVENKINGがこの「Penny Dreadful」を取り上げた所に、偉大な先輩への畏敬の念が溢れていて素晴らしいなぁと思った次第だ。
しかし、最近のヴァイキング系とかトラッド系を聴いていると、このSKYCLADが如何に偉大なバンドだったかが解る。
日本では全く売れなかったけど、向こうじゃ結構人気あるみたいだし、今一度、華麗な復活を期待するよ。SABBATやSATANも良いけどさ。
まあ、色々書いたけど、ELVENKINGがおいらの大好きだったSKYCLADをカヴァーしてくれたのが単純に嬉しかっただけなのに違いない。
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